2015年12月22日

対論録/sus-edu、中世温暖期とホッケースティック曲線

【対論場所】 都合が悪ければ消去するホッケースティック曲線の光と影 (1)
        (ホッケースティック曲線の光と影 (2))、ホッケースティック曲線の
        光と影 (3) 地球温暖化の真実を探して
【対論者】 sus-edutk_**saki、stehan、fujim、conAGW
sus-edu
「中世温暖期」は、古気候に関する知見が乏しかった時代に、ヨーロッパに偏った、気候に関する定性的な記述によってある意味”生み出された”ものです。その後全球(熱帯を除く)で使える気温の代替指標が考え出され、この「温暖期」が北半球に偏っており、全球ではさほど暖かいわけではなかったことが明らかにされています。その結果がAR3の「ホッケースティック曲線」やそれを含むAR4以降の様々な再現気温のグラフで、これは単純に知見の蓄積による進歩です。代替指標そのもののバイアスを示さない限り、これはただの言いがかりです。
2013/11/27(水) 午後 6:22[ sus-edu ]

tk_**saki
さすがに、膨大な観測記録の存在する北半球の中世温暖化は消せないのですね。
当時、人の住んでいなかった南半球ならば、データをちょこっと恣意的にいじれば、北半球の温暖化さえ帳消しにできるってことでしょう?
(NCDCのデータさえ改ざんしてのけた彼らにすればたやすいことだったはず)
2013/11/29(金) 午前 0:38[ tk_**saki ]

sus-edu
>tk_**sakiさん
その解釈は正しくありません。「中世温暖期」は、確かに北半球の一部では観測はされていますが、全球平均気温を語る上ではアーティファクト(自然を対象とするはずの自然科学において、意図せずに人工のものが現れてしまうこと)に過ぎなかったということです。
「データをちょこっと恣意的にいじ」ったというのはどういうことでしょうか?古気候学の結果はNCDCのデータような観測結果とは異なりますから、もし本当に恣意的な改ざんがあったのだとすれば、それを指摘する研究論文があると思うのですが…。
(NCDCのデータを改ざんしたというのがそもそもよく分かりませんがそれはそれとして)
2013/11/29(金) 午前 11:14[ sus-edu ]

stehan
中世温暖期は南半球のパタゴニアでも検出されています。
明らかにグローバルな現象ですね。要はその振幅を大きく見積もるか、小さく見積もるかの話。
2013/11/30(土) 午後 9:58[ stehan ]

fujim
2008年7月発行の赤祖父俊一著「正しく知る地球温暖化」によれば、Mann氏が1998年に発表した「ホッケー・スティック曲線」は統計的な誤りがあることが指摘され2007年のIPCCの報告では取り下げられた、と記載されています。また同書では、北大西洋の海底堆積物の酸素同位体O16から推定した気温を示しながら、現在よりも暖かかった「中世の温暖化」と西暦1200〜1800年の「小氷河期」の存在を強調しています。
2013/12/1(日) 午前 0:08[ fujim ]

sus-edu
>捨てハンさん
そもそもこの1994年の古い論文(しかも夏期気温のグラフは1990年の論文から)は、現代と比べてどれだけ暖かかったと言えるかという評価をしていません。温暖・寒冷イベントの回数以上のことを自信をもって言えるほどの手法は当時まだなかったのでしょう。
一方、AR4ではリンク先にあるようにタスマニアやニュージーランドの再現気温が出されています。これを見ると、中世温暖期的な傾向は見ることが出来ますが、それも良くて現代と同程度の気温という感じです。パタゴニアの再現気温は1000年頃までのは表示されていませんが、それが何によるのかは分かりません。
2013/12/1(日) 午前 0:52[ sus-edu ]

sus-edu
>fujimさん
原典はちゃんと確認するクセを付けることをお勧めします。AR4の北半球再現気温のグラフはFig 6.10(b)ですが(リンク先)、このMBH1999という図こそ、Mannらのグラフです。しっかり残っていますよ。
またその下のBox 6.4にも「中世温暖期」について記述がありますが、確かに前後に比べて平均的に温暖であるとは言えるが、それぞれの地域で一番温暖な時期がずれていて、北半球平均としては現代ほどの高温でもないということです。
ちなみに、北大西洋の堆積物のデータもいくつかの再現気温(Mannらのものを含む(!))では実際に採用されています(Table 6.1を参照)
※リンク先:6.6.1.1 What Do Reconstructions Based on Palaeoclimatic Proxies Show?/IPCC-AR4
2013/12/1(日) 午前 1:05[ sus-edu ]

stehan
>sus-edu氏
(1)中世温暖期がグローバルな現象であったことはご理解いただけたようですね。
(2)もちろんその振幅が北半球高緯度で大きかったことは理解しています。
(3)貴殿が引用しているAR4のFig.6.10の曲線の中には、中世温暖期をはっきり示すものもありますね。「中世温暖期はArtifactである」という言説は、研究者間でも一致をみていないようです。
(4)Fujimさんのおっしゃているのは、AR4の「政策決定者向け要約」にホッケースティック曲線が記載されなかったことを指しているのでしょう。
2013/12/1(日) 午後 5:52[ stehan ]

sus-edu
>捨てハンさん
「中世平温期」ならあっただろうとは言える、というのが私の趣旨です。もっとも、ご指摘のようにFig 6.10を見ても各グラフのばらつきが大きいように、ひょっとしたら温暖期と言えるものだった可能性も否定はできないのでしょうが、グラフのとおり、いずれ現代よりも暖かいという程には温暖でなかった可能性が高いでしょう。
「報告から取り下げられた」という言葉は、SPMに載っていない事を意味してはいけません。Full Report(報告)には載っているのですから。赤祖父氏が意図的にそう書いたにせよ単なる無知にせよ、事実誤認と指摘するほか無いです。
2013/12/1(日) 午後 8:19[ sus-edu ]

conAGW
中世温暖期について第5次ではさらに改められ、0.5℃ほど高く直されているようです(5-117ページ)。
※リンク先:Chapter 5: Information from Paleoclimate Archives/IPCC-AR5(Draft)
2014/1/1(水) 午後 4:57[ conAGW ]

sus-edu
>conAGWさん
それも逆にデータセット次第という感じですが、確かに全般的に西暦1000年前後はAR4より高めに出ているようですね。なお、AR4とAR5では基準温度がそもそも0.2度ほど違いますので、「中世温暖期」はAR4基準で0度から+0.2度に上がったといったところです。たぶんこれぐらい報告書を読み込んでおられるのならばそれぐらい承知の上で書かれたのではないかと思いますが、念のため。それとも、プラスでもマイナスでも不自然に大きく振れるCL12locの曲線を特に選んだのであればまた違いますが。
2014/1/4(土) 午前 1:01[ sus-edu ]

conAGW
確か「ホッケースティック幻想」という題名の本もあったような気もしますが、IPCC報告書上でさえ、まさに幻と化してきているのかもしれません。
2014/1/4(土) 午後 7:57[ conAGW ]

ホッケースティック曲線の光と影 (1)
sus-edu
初期のIPCCの報告に出てくる中世温暖期が気温の代替指標で裏付けられていたというのは、全くの嘘でもないのでしょうがほとんど正しくありません。なぜなら、代替指標の研究は圧倒的に2000年以降に発表されているからです。これはAR5 第8章の参考文献一覧も見れば良いでしょう。
中世温暖期は圧倒的に定性的な文献記録と実測データとに基づいて描かれたものです。そして当時に気温が実測ができたような場所というのはヨーロッパぐらいです。
それにしてもなぜ懐疑論者は1998年のMannらの研究ばかり攻撃して、より新しいAR4やAR5に載っている再現気温の論文を攻撃しないのか、大変不思議です。
2014/1/22(水) 午前 0:59 [ sus-edu ]

conAGW
「1998年のMannらの研究」は特異的にAR3で示されたもので、「より新しいAR4やAR5に載っている再現気温の論文」は中世温暖期を示唆するものになってきているからかもしれませんね。
2014/1/22(水) 午前 9:23 [ conAGW ]

sus-edu
懐疑論者は昔ののIPCCの成果をけなすことしか出来ないことを認めるのですね。それにしてはAR5の図がここの記事に出てきていないのも不思議です。もし本当に懐疑論者の言うようなグラフになっているならば、この記事で取り上げられて当然のはずなんですが…
実際、「中世温暖期」といっても、AR5のグラフを見ても高くても1950年代程度の気温だったことは既に見ましたよね。もちろん、あの図にはMannらの研究のような不確実性が図示されていませんから、実際にはそんな厳密な比較は出来ないのですが。とはいえ高い方の再現気温でその程度だったということは、結論は言わずもがなでしょう。
2014/1/23(木) 午前 2:16 [ sus-edu ]

conAGW
誰も「昔ののIPCCの成果をけなすことしか出来ない」のではありませんね、それぞれに理由を持って批判なり評価なりをしているでしょうから。
「AR5の図がここの記事に出てきていないのも不思議」でもないでしょう、当記事の (2)以降もありそうですから。
中世温暖期について、「AR5のグラフを見ても高くても1950年代程度の気温だったこと」で確定させても、「高い方の再現気温でその程度だったということは、結論は言わずもがな」としてもいけないでしょうね。
現状では、「Mannらの研究」を前面に取り上げたAR3が特異なものとなりそうだといった過程を見ておくべきでしょう。
2014/1/23(木) 午前 10:06 [ conAGW ]

sus-edu
もちろん初期の試みほど後の改善を要するのが一般で、Mannらのグラフは全球平均気温の再現を代替指標で定量的に示そうとした最初の試みですから、それが最新の成果であった当時に批判するのは全く正当であったと思います。しかし既にAR4やAR5に示されているような成果があるにも係わらず懐疑論者が今なおやり玉に挙げているのは、科学の発展には寄与しない行為です。それを分からずに批判しているならそれは単純に頭が悪いし、分かってやっているならそれはIPCCに対する悪質な印象操作を狙っているだけです。
懐疑論者からの定量的な再現気温のグラフが示される日を楽しみに待っております。
2014/1/24(金) 午後 1:03 [ sus-edu ]

conAGW
当のMann氏がホッケースティックを正当化し続けているようですので、批判のほうも止まないのでしょうね。
2014/1/24(金) 午後 3:57 [ conAGW ]

sus-edu
Mannらの研究はその後も更新され、その成果(Mann 2008)はAR5等にも載っていますよ。「正当化」とはどういう意味なのでしょうかね。
2014/1/28(火) 午後 2:20 [ sus-edu ]

conAGW
AR5はAR5でしょう。それはそれとしてAR3への問題指摘があっても構わないと思いますよ。
2014/1/28(火) 午後 5:54 [ conAGW ]

sus-edu
懐疑論者は建前としては気候および気候変動に関する科学的知見の発展のためにIPCCを批判しているはずで、だとすれば最新の知見に対してこそ批判すべきで、既にそれより精度の高い再現が成されている中でAR3を批判する事に、どのような科学的な意義があるのでしょうか。
手続きの面で不備があったという指摘は(その妥当性はさておき)科学史学的に見れば有意義な指摘ではありましょうが、予測の精度そのものについては何故「問題指摘」を今でも繰り返す事が正当だと思えるのでしょうか。
2014/2/6(木) 午後 7:46 [ sus-edu ]

conAGW
ホッケースティック曲線が批判されるのは、「精度」を比較する以前のデータ処理の行ない方でしょう。
2014/2/6(木) 午後 10:28 [ conAGW ]

ホッケースティック曲線の光と影 (3)
sus-edu
このMcIntyreとMcKitrickのグラフは、限定的ながらも気温の実測結果がある1800-1900年代の再現が明らかにMannらのものより精度が悪いです。それが方法論的にMannらのものより正しいと信じる根拠は無いはずです。
その他の論点についてはリンク先を参照のこと。
※リンク先:ホッケースティック論争/増田耕一
2014/1/28(火) 午後 2:09 [ sus-edu ]

conAGW
むしろ「McIntyreとMcKitrickのグラフ」のほうが、1800年過ぎから上昇、後半を過ぎてから1900年ごろにかけて低下ということで、「限定的ながらも気温の実測結果がある1800-1900年代」の傾向に近いといえるでしょう。
2014/1/28(火) 午後 7:12 [ conAGW ]

sus-edu
「傾向」などではなく再現気温そのものがMcIntyreとMcKitrickのグラフの方が明らかに高すぎるのですが…。
2014/2/6(木) 午後 7:39 [ sus-edu ]

conAGW
「再現気温」というものは、そのデータの得方の性質上、何℃という値そのものよりも経時変化のほうが信頼性が高いと言えるでしょうね。
もし気温そのものも「限定的ながらも気温の実測結果がある1800-1900年代」について比較しようというのでしたら、実測と再現とで「限定的」というものの中身を合わせて行なってみるのが妥当でしょう。
2014/2/6(木) 午後 10:12 [ conAGW ]
  
posted by ichijin at 01:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 懐疑批判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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