2015年12月14日

書籍/地球温暖化の大いなる誤り

『地球温暖化の大いなる誤り − 母なる自然に担がれた一流の気候科学者たち』
The Great Global Warming Blunder: How Mother Nature Fooled the World's Top Climate Scientists
Roy W Spencer, 2012/9

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本書は、主要な科学的知見から得られた新たな証拠を明示しつつ、気候変動についてのこれまでの一般通念を論破するとともに、地球温暖化に関する現状の議論を見直そうとするものである。米国航空宇宙局(NASA)の上席気候学者であった著者は、気候研究者たちが雲の振る舞いを分析した際に原因と結果をどのように誤ったか、彼らが母なる自然にどのように担がれ、地球の気候体系が本当のところよりも人間活動や二酸化炭素に対する感度がはるかに高いと信じ込まされたのかを明らかにしている。

著者は驚きに値する新証拠を実際に提示し、近年の温暖化は人間の責任ではなく自然による混沌とした内的周期の結果であり、それが数千年にわたる温暖期と寒冷期を作り出してきたのだと主張する。また、大気中に二酸化炭素が増えたからといって必ずしも心配はなく、化石燃料の燃焼は実際のところ、地球の生命にむしろ役立っているとしている。

集団思考的な姿勢や方向を誤った地球温暖化政策が世界で最も貧しくかつ最も弱い多数の人々の生命を脅かしている状況において、本書の内容は機知に富んだものであり、大いに議論を喚起してほしいところである。

<目次>

はじめに
(Introduction)


第1章 気候変動は起きている
(Chapter 1 ・ Climate Change Happens)

地球の気温変動:紀元0〜2009年
(GLOBAL TEMPERATURE VARIATIONS:  0 A.D. TO 2009)
「気温の傾向」というものは捉えにくい
(THE ELUSIVE “TEMPERATURE TREND”)
リンゴ・オレンジ・誤差(意味のない比較)
(APPLES, ORANGES, AND ERRORS)
ホッケースティック
(THE HOCKEY STICK)
太平洋十年振動
(THE PACIFIC DECADAL OSCILLATION)
自然の気候変動は起きるもの−IPCCがあってもなくても関係なし
(NATURAL CLIMATE VARIABILITY HAPPENS–WITH OR WITHOUT THE IPCC)

第2章 「我々は創造というものを破壊しようとしている」
(Chapter 2 ・ “We Are Going to Destroy the Creation”)

ボストーク氷床コアの記録
(THE VOSTOK ICE CORE RECORD)
地球温暖化という宣伝活動
(GLOBAL WARMING PROPAGANDA)

第3章 強制力:温暖化はどう始まったか
(Chapter 3 ・ Forcing: How Warming Gets Started)

気温変化の強制力:エネルギーの不均衡
(THE FORCING OF TEMPERATURE CHANGE: ENERGY IMBALANCE)
CO2増加による地球のエネルギー不均衡
(GLOBAL ENERGY IMBALANCE CAUSED BY INCREASING CO2)
CO2倍増による直接の温暖化効果
(THE DIRECT WARMING EFFECT OF DOUBLING CO2)
エネルギー不均衡に対する気温の応答の性質
(THE CHARACTER OF THE TEMPERATURE RESPONSE TO AN ENERGY IMBALANCE)

第4章 フィードバック:強制力によってどれくらい温暖化するか
(Chapter 4 ・ Feedback: How Much Warming Results from the Forcing)

フィードバックの簡単な例
(SIMPLE EXAMPLES OF FEEDBACKS)
フィードバックの推定
(ESTIMATING FEEDBACKS)
気候体系における潜在的な正のフィードバック
(POTENTIAL POSITIVE FEEDBACKS IN THE CLIMATE SYSTEM)

第5章 世界の一流の気候科学者たちが母なる自然にどう担がれたか
(Chapter 5 ・ How Mother Nature Fooled the World’s Top Climate Scientists)

気候研究を行なう環境
(THE CLIMATE RESEARCH ENVIRONMENT)
フィードバックが鍵
(FEEDBACKS ARE THE KEY)
雲についての思い違い
(CLOUD ILLUSIONS)
衛星によるフィードバックの推定:従来の方法
(SATELLITE ESTIMATION OF FEEDBACKS: THE TRADITIONAL WAY)
原因か結果か?
(CAUSE OR EFFECT?)
簡単な気候モデル
(A SIMPLE CLIMATE MODEL)
フィードバックの真の特徴
(THE TRUE SIGNATURE OF FEEDBACK)
IPCCモデルからの証拠
(EVIDENCE FROM THE IPCC MODELS)
衛星によるフィードバックの推定:正しい方法
(SATELLITE ESTIMATES OF FEEDBACK (THE RIGHT WAY))
ゴミを入れればゴミしか出ない
(GARBAGE IN, GARBAGE OUT)
以上が意味すること
(WHAT IT ALL MEANS)

第6章 地球温暖化:別の説明がつく衛星からの証拠
(Chapter 6 ・ Global Warming: Satellite Evidence for an Alternative Explanation)

母なる自然が地球温暖化の原因か?
(CAN MOTHER NATURE CAUSE GLOBAL WARMING?)
気候変動の主体者である太平洋十年振動(PDO)
(THE PACIFIC DECADAL OSCILLATION AS AN AGENT OF CLIMATE CHANGE)
PDOによる地球温暖化を表す簡単なモデル
(A SIMPLE MODEL OF GLOBAL WARMING CAUSED BY THE PDO)
PDOによる地球温暖化を示す衛星からの証拠
(SATELLITE EVIDENCE FOR THE PDO CAUSING GLOBAL WARMING)
以上が意味すること
(WHAT IT ALL MEANS)

第7章 CO2:危険な汚染物質か、いのちの源か?
(Chapter 7 ・ CO2 : Dangerous Pollutant or Elixir of Life?)

二酸化炭素の自然の流れ
(NATURAL FLOWS OF CARBON DIOXIDE)
海洋の酸性化
(OCEAN ACIDIFICATION)
CO2排出は削減すべきか?
(SHOULD WE BE CUTTING BACK ON OUR CO2 EMISSIONS?)
巨大なビジネス
(BIG BUSINESS)

第8章 危険な状況:今後の予測
(Chapter 8 ・ Out on a Limb: Predictions for the Future)

今後の気温
(FUTURE TEMPERATURES)
IPCCが誤りを悟る
(THE IPCC HAS AN EPIPHANY)
IPCC科学者が“青いドレス”の瞬間を迎える
(AN IPCC SCIENTIST HAS A “BLUE DRESS” MOMENT)
IPCCと気候研究資金に対する独立の審査
(INDEPENDENT REVIEW OF THE IPCC AND CLIMATE RESEARCH FUNDING)
開かれた地球温暖化の議論
(PUBLIC DEBATES ON GLOBAL WARMING)
環境保護庁(EPA)による規制と議会の法案
(EPA REGULATIONS AND CONGRESSIONAL LEGISLATION)
一般市民が情報を得る
(THE PUBLIC GETS INFORMED)


要約と結論
(Summary & Conclusions)

 
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2015年12月11日

書籍/人騒がせな地球温暖化

『人騒がせな地球温暖化 − 国連が「温暖化の原因は人為CO2」と主張する背後にある偽りの科学』
Global Warming False Alarm, 2nd edition: The Bad Science Behind the United Nations' Assertion that Man-made CO2 Causes Global Warming

Ralph B. Alexander, 2012/10

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本書は、2009年に発行されたアレクサンダー氏の前著から、資料の新規追加や更新によって半分ほどを新しい内容としたもので、地球温暖化の主要因とされるCO2については章を拡大して新たな説明を加えている。新たな節としては次の点を取り上げた項目が追加されている。

・世界の気温データを管理する3つの主要機関による、温暖化の速度を誇張するための気温の改竄

・クライメートゲート・スキャンダル

・お騒がせ者たちが一つの武器とする査読

・太陽活動の海洋による増幅を含めて無視される太陽の気候への影響

・深海に潜在すると推測されているが確認できていない熱

本書はまた、国連の気候変動政府間パネル(IPCC)やお騒がせ者たちがいかにして気候データを操作しているか、お騒がせ者たちが否定している10年以上にわたる温暖化の停滞、CO2を規制するために炭素価格を設定するという政策の愚かさについても解説している。

著者は最後に、反対の証拠が十二分にあるにもかかわらず近年の気候変動は人間活動が原因であると、なぜこれほど多くの人々が誤って考えてしまうのかについてじっくり検討している。

<目次>

第1章 気候変動についての妄想
(Chapter 1: Climate Change Delusions)

腐敗した科学
(Corrupted Science)
気候変動政府間パネル(IPCC)
(The Intergovernmental Panel On Climate Change (IPCC))
CO2地球温暖化仮説
(The CO2 Global Warming Hypothesis)
コンピュータモデルの誤謬
(Computer Model Fallacies)
懐疑者たちの説明:自然要因
(The Skeptics’ Explanation: Natural Causes)

第2章 誤りゆく科学
(Chapter 2: Science Gone Wrong)

データの操作
(Data Manipulation)
- 気温の誇張
 
(Exaggerated Temperatures)
- 気温の消し去り:ホッケースティック
 
(Disappearing Temperatures: The Hockey Stick)
- 気温の消し去り:NASAゴダード宇宙研究所(GISS)による過去の書き換え
 
(Disappearing Temperatures: GISS Rewrites The Past)

腐敗とペテン
(Corruption And Fraud)
- 証拠のもみ消し:クライメートゲート事件
 (Suppressing Evidence: Climategate)
- 証拠のでっち上げ
 
(Cooking Up Evidence)
- 武器としての論文査読
 
(Peer Review As A Weapon)
- IPCCによる不正工作
 
(IPCC Dirty Tricks)

第3章 コンピュータのいかさま
(Chapter 3: Computer Snake Oil)

それはただの模倣でしかない
(It’s Only A Model)
象の描き方
(Fitting An Elephant)
描写に雲がたれこめる
(Clouding The Picture)

誤った予測
(Failed Predictions)
- 大気圏のホットスポットはどこに?
 
(The Missing Atmospheric Hot Spot)
- 北極と南極
 
(The Arctic And Antarctic)
- 北半球vs南半球
 
(Northern Vs Southern Hemisphere)
- 海洋
 
(The Oceans)

第4章 CO2についての認識と気候感度
(Chapter 4: CO2 Sense And Sensitivity)

CO2に伴うフィードバック:「正」とするのは誤り?
(CO2 Feedback: False Positive?)
- 衛星データに見られる「負」のフィードバック
 
(Negative Feedback In Satellite Data)

過大なCO2気候感度
(CO2 Oversensitivity)
CO2は二つの顔を持つ
(Two-Faced CO2)

第5章 気候は自然の成り行き
(Chapter 5: Doing What Comes Naturally)

自然による温暖化:太陽
(Nature’s Warming: The Sun)
- 太陽系のリズム
 
(Rhythms Of The Solar System)
- 増幅メカニズム:大気圏外からの宇宙線
 
(Amplification Mechanisms: Cosmic Rays From Outer Space)
- 増幅メカニズム:オゾン
 
(Amplification Mechanisms: Ozone)
- ほかの惑星
 
(Other Planets)
- IPCCによるさらなるペテン:太陽による温暖化を矮小に見せる
 
(More IPCC Shenanigans: Solar Warming Minimized)

自然による温暖化:海洋
(Nature’s Warming: The Oceans)
- 太陽と海洋のつながり
 
(The Sun-Ocean Connection)
- 太平洋十年振動(PDO)
 
(The Pacific Decadal Oscillation (PDO))

第6章 地球寒冷化
(Chapter 6: Global Cooling)

運命の逆転
(Reversal Of Fortune)
おおかみ少年
(Crying Wolf)

海洋熱のゆくえ
(Missing Ocean Heat)
- 海水位
 
(Sea Levels)

第7章 なぜ問題なのか
(Chapter 7: Why It Matters)

炭素に値段をつけるという大いなる無駄
(The Carbon Pricing Boondoggle)
- 欧州のキャップ&トレード制度は失敗
 
(Europe’s Failed Cap-And-Trade)
- 北米における地方分権主義
 
(North American Regionalism)
- ほかの国々
 
(Other Countries)

再生エネルギーによる詐欺
(The False Promise Of Renewables)

第8章 よく考えてみる
(Chapter 8: Reflections)

付録:気候のフィードバックと感度
(Appendix: Climate Feedbacks And Sensitivity)
- フィードバックと増幅作用
 
(Feedback And Amplification)


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